抜けないリング~先生の薬指~
やばい。やばい。
冷や汗が出る。
女子というのはこの種の話題には鼻が利くから。
まず生徒は有り得ない。他校と交流がないことはバレている。
となるとすぐに矛先は羽賀先生になる。
前から私達を観察してたのはこいつ。
私の態度次第で気付くのも無理はない。
けれど、まずは落ち着こう。
変に焦ると逆に怪しい。
「病気?」
「そうそう!女子高のマンネリ化した日々、請うべきは出会い。しかし見つからない。見当たらない。こういうコトを愚痴ってた軍団がこの後どうなるか、かんちゃんならわかるでしょ?」
ごくり。
喉が鳴った。
生唾を飲み込む音。
そう、知っている。そして感づかれている。
自分の身近な男子、男性を好きになろうとする。