抜けないリング~先生の薬指~


どうしてお前はもっと一般女子高生の可愛らしい形容が出来ないのか。



それは私もだけど。私だってこのノリでずっと二年過ごしていた。


変わったのは私。
恋をして、女の子らしくなってしまったのかな。

それはそれで嬉しくも悲しい変化。私は女子高特有のサバサバした雰囲気が好きだったし、それに馴染んでいたから。



数学のクラス分けで先生がどこを担当するか考えるだけで心が弾むなんて、末期症状に違いない。


「ところで伊奈。数学どこにすんの?」

「あっしはBにしやっせ。数学使うかもしれぬからな。」


伊奈は私と違って理系に長けている。数学や生物が好き。

大学はまだ決めてないみたいだが、生物に関わる学部を志願すると私は踏んでいる。



< 70 / 74 >

この作品をシェア

pagetop