【幼なじみの恋愛事情】
「ねえ、雅人?今度さ、一緒にどっか行こうよ♪」

「悪い、部活で忙しい」

付き合ったのは、いいものの僕は部活・勉強・生徒会に追われて彼女とデートをする余裕がなかった。

冷静に考えれば、デートできたのかもしれない。

でも、あのときの僕にはできなかったんだ。

だから、僕は彼女が苦しんでることも気づかなかった。

「あのね、雅人…相談したいことがあるんだけどっ」

あのとき、彼女の目が赤かったことにどうして気づいてあげれなかったのだろう。

「悪い、今度でいいか?今から、生徒評議会のしおり作らなきゃいけないから」

なんで、あのとき生徒会を選んでしまったのだろう。

「雅人、二人っきりで話したいことがあるんだけど」

「悪い、今は部活とか生徒会とかでゴタゴタしてて梓紗の話は聞いてやれない」

そのとき、彼女のセーターの裾から白い包帯が見えたのにどうして気づいてあげれなかったのだろう。

「あのさ…別れてくれない?」

「うん」

彼女から、思いがけないことを言われたが仕方ないと思った。

きっと、彼女には好きな人ができたんだとそう思ったから。

けど、違ったんだ。

全部、僕のためだったんだ。
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