【幼なじみの恋愛事情】
夏休みも終わり、蝉の鳴き声が消え秋を迎えようとしている今日この頃。

クラスは、ある一つの行事の話題に持ちっきり。

その行事は……

研修合宿だ。

1週間付属校が経営している研修センターに泊まるという1年生の中ではビックイベントなのだ。

「で、班はどうする!?美里は、あいつと一緒になりたかったらなっていいよ」

美鈴が、気にかけて言ってくれた。

けど……。

「ううん、私は美鈴達と一緒の班で行きたい。森本くんもそう言ってくれたし」

「そっかー、あいつ美里は大事にしてるんだな」

優馬が、ボソッとつぶやく。

森本くんは、本当に私のことを大事にしてくれてると思う。

どっかの誰かさんとは違って。

私は、ふと翔を見た。

翔は、ボーッと空を見上げていた。

あれから、翔とは朝会って一緒に登校するけど会話はほとんどしなくなった。

翔が怒るのは、無理はない。

私が悪いのは、わかってる。

けど、翔が空を見上げているときは機嫌がいい時ではない。

何か、考え事をしたり悩んだりしている時だ。

16年一緒に居ればわかる。

翔に声をかけようとしてもかけられない。

周りの目は、気になるし森本くんを心配させたくない。

そんなことを考えてたら、班のメンバーが決まっていた。

「ってことで、いつものメンバーで」

何人グループでもいいということになったため、8人グループになった私たち。

研修センターでは、きっと翔と二人にされるなっとなんとなく思っていた。

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