【幼なじみの恋愛事情】
俺は、8人でいる間にみーの耳元で呟いた。

「今日、10時に部屋来い」

みーは、ただ黙って頷いた。

研修合宿初日は、オリエンテーションが主で後はほとんどが自由時間だ。

だから、俺たちの部屋でいつものように8人で他愛のない会話をしている。

「つかさ、今日の夜からマジで座禅組むわけ?」

「ありえない、あれは何度やっても死ぬ」

優馬と真優が文句を言っていた。

「けど、あれ案外楽じゃん」

「何が楽よ!!ホント、浩史の発言ありえない」

浩史は、優等生発言をし真優に怒られてた。

二人の姿を見ているとなんだかうらやましく思う。

俺たちも前までは、あんな感じだった。

俺は、ずっとみーの隣で……

みーは、ずっと俺のそばにいた。

それが当たり前だったために、あの二人の姿を見ると昔の自分たちを思い出してしまう。

みーも同じことを考えているのだろうか。

考えてたらいいのに。

「翔ってさ、何でそんなに頭いいわけ?」

「えっ何、いきなり……」

いきなり、その話ですか。

「だって、あいつを超した奴なんてお前しかいねーよ」

その話は、聞いたことがある気がした。

森本は、幼稚園の時から常に成績がトップ。

越されたことなんて一度もなかったのだ。

だから、余計にライバル意識されてるのかもしれない。

「別に、頭いいわけじゃねーよ。小さいころから、親がうるさくて」

「よく言うよ。自分から勉強してたくせに」

すかさず、みーが突っ込んでくる。
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