【幼なじみの恋愛事情】
「あれは……」

言い返せない。

「陽菜ちゃんと比べられるのがいやだったんでしょ?だから、陽菜ちゃんを超えるために勉強してたくせに!!」

「姉貴を超えるためじゃない、自分のためだ」

「毎日私の所に嘆いてたくせに。また、模試陽菜ちゃんに負けたとか言ってさ」

「あれは、まだ俺は小さかったから」

「はいはい、いいわけはいいですよ」

なんだか、冷静に考えてみた。

みーは、昔のことを俺以上に覚えている気がした。

そう思うとなんだか、嬉しくなる。

「その辺にしときなさいよ。あんたたち、やっと仲直りしたわね」

美鈴がため息交じりにケンカを止めた。

そういえば、俺達最近ずっと話していなかったんだ。

「なんか、お前らはそうじゃなきゃこっちまで調子狂うぜ」

優馬もほっとした感じで俺らを見た。

みんな何気なく俺らのことを心配してくれたらしい。

俺とみーは、目が合った。

「「どうも、ご心配おかけしました」」

微笑みあった。

やっぱ、みーじゃなきゃダメなんだ、俺。

他に変わりなんていない。

みーが傍にいなきゃ俺はダメなんだ。

みーじゃなきゃ。

みーじゃなきゃいけないんだ。
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