【幼なじみの恋愛事情】
みーは、ドライヤーを片手にもう片手で髪を拭いていた。

「髪、乾かして?」

「はいはい」

みーは、小さい時から俺の家に来ると絶対髪を俺に乾かさせる。

「なんかさ、翔に髪乾かしてもらうの久しぶりじゃない?」

「だな」

「なんか、変だよね。つい最近まで、一緒におふろ入ったり一緒に寝てたのに気がついたら、お互い高校生だしね」

「ああ、そうだな」

鏡越しでみーの顔を見た。

ぱっちりな二重にぷるんとした唇、少し筋の通った鼻。

パーツパーツは、昔から変わらない者の何かみーが大人になった気がした。

「翔ってさ、顔変わらないよね」

「失礼な。みーもそんなに変わらないけど」

「そうかなー。私、結構変わったと思わない?」

「どこが」

「全体的に」

「適当じゃん」

お互い、笑い合った。

こんなときが永遠に続けばいいのに。

いつも、みーと居るとそう願ってしまう。

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