【幼なじみの恋愛事情】
「乾いた」

「ありがと」

みーは、嬉しそうに乾いた髪を触った。

「俺、風呂入ってく」

「うん、わかった」

俺は、風呂に入りながら考えてた。

小さい時、みーが水嫌いって泣きながらお風呂に入ったこと。

小学生の時、傘を忘れたみーと相合傘をして帰ったことをクラスメイトにばれて冷やかされて、みーがその日一日カンカンだったこと。

中学の時、二人で屋上でサボったこと。

目を閉じれば、みーとの思い出ばかりがよみがえってくる。

きっと、みーがいなければこの思い出もなくなってしまうだなと思う。

湯船から上がると少しフラッとした。

「のぼせたな……」

俺は、黒のスウェットのズボンをはき、冷蔵庫から水を持って部屋に戻った。

さっきまで、雑誌とか参考書とか散らかっていた部屋が綺麗になっていた。

みーが、片づけたんだ。

みーは、すやすやと俺の机の上で伏せて寝ていた。

「たっく、仕方ない奴だな……」

俺は、溜息をつきながらみーを抱き上げ自分のベットに寝かした。

「翔……、好き…」
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