【幼なじみの恋愛事情】

「おーい、翔くーん……？」

昔のことを思い出していたら、どこか気が行ってしまったらしい。

「で、何だっけ?」

「何も聞いてないし。だから、それに出れば結婚できるかもしれねーんだよ」

いや、それさっき聞いたし。

心の中で、そうつぶやいた。

「でも、結婚したいとか思ってるの?」

「当たり前じゃん!!俺らの愛は、そう簡単には崩れねーよ」

そうだといいけれど。

人間何が起きるかわからない。

もしかしたら、結婚できないかもしれない。

そう簡単には、約束というのは守れないかもしれない。

だから、俺は小学生ぐらいのときからみーの前で「すき」とか「結婚しようね」とか言わなくなった。

照れもあるかもしれないけど、もしかしたらみーと離れるかもしれない。

そう思うとお互いが辛くなるだけだと、小学生ながらに思っていた。