【幼なじみの恋愛事情】
「できた」

「ありがとっ」

そういうと、みーは立ってスクバを持った。

「いくよ」

「おう」

俺たちは、急いで階段を下りた。

「「いってきまーす」」

家を出ると、みーはスキップをしていた。

「何か、いいことでもあった?」

聞けずには、いられなかった。

「あのね、昨日ね……」

「浜辺さん」

みーが話している途中に、嫌な声が聞こえた。

後ろを振り向くと、森本だった。

やっぱ、こいつ顔奇麗だな。

「森本君、おはよう。今日は、遅いね」

「バスを乗り過ごしちゃって。浜辺さんは、いつもどおり?」

「いや、今日少し寝坊しちゃってさ朝、翔に支度手伝ってもらったんだよ」

「そうなんだ、そんなことまで渡辺くんはしてくれるんだ。優しい幼なじみだね」

なんか、その言葉がものすごく嫌みに聞こえた。

【幼なじみ】

この境界線が、あるから俺は一歩踏み出せなかった。

だから、こんなに自然と素直に話せている森本を見ると、少しうらやましく思えた。
< 77 / 150 >

この作品をシェア

pagetop