【幼なじみの恋愛事情】
翔の好きな人を聞こうとしたところに背後から誰かの声が聞こえた。

「浜辺さんっ」

森本君の声だった。

「おはよう」

私は、ほほ笑んだ。

翔は、スタスタと一人で歩き始めた。

「……ちょ、翔」

と言って歩き出そうとしたが、足が動けなかった。

「行くなよ」

森本君が私の腕をつかんでいた。

「えっ……」

いつもの森本くんではなかった。

「たまには、一緒に学校に行こうよ」

あれ、戻ってる。

時々森本君は、性格がつかめないときがある。

「うん」

私は、うなずいた。

これでよかったんだ。

もう、翔の背中を追わなくていい。

そう森本くんが合図してくれたのかもしれない。
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