気づいてよ
私は目がパッチリしてて、可愛い!!!とか言われてるけと…。

私は思わない。


お世辞に決まってる。


それに比べて美香も奈々もすごく可愛い。



周りの女性をライバルに変えるなんて…。

難しすぎるよ…!




「なに考えこんでんの?」




わっ!びっくりしたよ…!


「ちょっ?!考えこんでる時に話しかけないでよっ!」



「いや。びっくりすることじゃないだろ。コショコショ話だし。」




「だからってねぇ!授業中よ?」




意外な子供に、夏川はきょとんとした。



「いつもは宮城から言ってくるじゃん。授業中に話。」





そういえばそうだ。

いつもは、私から話しかけていた。

だって、せっかく隣の席になれたんだから…。仲良くなってたいじゃん?





「はいそこー。煩いでーす!」



今は国語の時間。

担当の先生が優しい先生だから、よかったけど…

担任の田中なら、即説教だろう。



「すみませーん。」



「静かにしてくださいね。」

敬子(ケイコ)先生なら、今みたいに笑って許してくれる。





「笑った顔ムッチャかわええっ!」


敬子先生の笑顔にクラスの男子たちが騒ぎ出した。



夏川も、「キレーだなー」

とかのんきにいっている。

敬子先生は、若いうえに綺麗!

美人!しかも優しいときたら、男子がほっておく訳はないだろう。



まぁ、敬子先生も天然っぽいから気づいてはいない。





夏川もあんなのがタイプなのかな…?


隣をみてみると、

「敬子先生ってキレーだなー。」


と私に話しかけてきた。



やっぱり…私じゃだめかも…。
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