気づいてよ
隣で女に笑顔を向けている夏川にムカッと来たが、気にしないように席に座った。
…ぎりぎりまで机離しとこ…
そう思いながらも、視線は隣へと言ってた。
「おはよう」
なによっ!
ぷいっと、私は無視した。
「まだ怒ってんのかよ。オレは別にお前の夢をけなしてるわけじゃねぇんだぞ?」
…?
「な?ごめんって。」
「しっかし、お前にあんな夢があるとはな」
「は?」
「おまえ、動物園の飼育係じゃなけりゃ、獣医になりたいんだろ?」
…は?だれがそんなこといったんすか?
「なんでそうなるのよっ!」
「いやてれなくていいのよ。将来は俺みたいなしっかりとした男と結婚してさー。んで、獣医になって…」
「なんか幸せな姿が目にみえるなぁ。」
夏川の笑顔に、ドキンときた。
もしも、私の笑顔でも夏川はドキドキしてくれたら、どんなに幸せなのかな?
ただ。君に悪気がなくても少し傷ついたんだ。
“みたいな”でしょ。
もしも夏川が幸せにしてくれたら、どんなに幸せかな?
ねぇ…。気づいてよ…。