思い出に変わる時・・・・
ギュッ と抱きついた。


「祐・・・・」


今でも好き・・・・


これからも好き・・・・・


ずっと好き・・・・


私だけの祐でいて・・・・


思わず抱きついた勢いで言ってしまいそうになった。


祐は拒むどころか、すっぽりフィットさせてくれるように私を抱きしめる。


『何でこんなに居心地がいいんだろう・・・・・』



今度は自分から祐にKissをした。


祐は余裕ありげに、少しだけ笑ってついばむようなKissに変わる・・・・


甘いKissに溺れそうになった時、ふと頭の中に1年前の事が浮かんだ。


『また今日も途中で捨てられちゃうのかな・・・・ 』


私を抱く祐の腕の位置が変わった時、頭の中が不安でいっぱいになった。


自分の臆病さが嫌になる


過去の事ばかりに捕らわれて、今の自分の目の前の祐は目に入らない・・・・。


こうして私のところに来てくれたのに・・・・。


私の不安とは裏腹に祐のKissは終わらない。


このままでは・・・・・


また頭の中が祐でいっぱいになってしまう


「祐・・・・。」


私は体を離すように両手を祐の胸に押し当てた。



「・・・・? 」


祐は私に『どうしたの? 』という視線で見た。


自分で離すように仕向けたのにも関わらず離れた唇が無性に寂しいと感じる


祐の胸に顔を押し当てた。


「菜緒・・・・」


祐の優しい声は凍りついた私の心を一気に溶かしてゆく・・・・。


< 102 / 138 >

この作品をシェア

pagetop