思い出に変わる時・・・・
「俺も好き・・・・。」


『そうなんだ・・・。』


さっきの祐の答えた「そうなんだ・・・」の意味が少し分かった。



こんに好きなのに・・・・何となく前とは違ってる。


今現在の人ではないの・・・・


祐の抱きしめてくれる温もりですら過去を取り戻しているような気持ちになった。


「菜緒~電話よ~ 」


隣の部屋から母の呼ぶ声が、盛り上がった私達に思い切り水を差した。


「は~い 」


『今行きたくないよ・・・・ 』


行かないと怪しまれるし、


私は慌てて隣の部屋に行った。


電話の主は梓ちゃん達。


「皆で集まるけど、どうする ?」


「梓ちゃん・・・皆に宜しく言っといて~ 」


申し訳ないけれど、私は祐と一緒にいる事を選んだ。


「OK~ 頑張って復活してね~ 後で報告電話待ってるよ~」


電話を切って部屋に戻った。


「ごめん~ 梓ちゃんだった。」


「いいの~? 」


「うん。どうせ卒業祝いのドンちゃん騒ぎだから=3 」


「行かなくていいの? 」


「うん、私お酒飲めないしね・・・」


「そっだな。」


何となく気まずくて、私はまた前に座ってしまった。


以前だったら電話が途中で入っても全く気まずい・・・・なんて感じなかったのに・・・・


祐ももしかしたら同じ事を感じたのか、前に座った私をとがめようとはしなかった。


夜暗くなるまで一緒にいて祐の帰る時間。


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