思い出に変わる時・・・・
さっきまでのウキウキ感は一瞬で吹き飛んで


頭の中に万華鏡を回したように目の前の光景と過去の光景が交差して見える。


『・・・・どうしよう』


私の足は喬さんに気付かれないように一歩ずつ後ろに下がっていく


その場から離れて喬さん達の姿が見えなくなると、猛ダッシュで逃げた。


駅のホームについてから、


(慰めてあげてね)


1行だけの短いメールを入れた。


喬さんからスグに電話がかかってきた


けど、電話を取るのが怖くなって電源を切った。


『何も話したくない・・・・・。』


電源を切っても仕方がないと分かっていても何を話していいのか分からない。


多分、喬さんの事だから心配して留守電にメッセージを入れてるはず=3


メールも散々打ってるだろう・・・・・。


『明日お迎に来るのかな・・・・  どんな顔して会えばいいんだろう・・・・』


喬さんは試験中だから4時間目まで、


私は2時間目で終わり。


待つべき?   でも会いたくない。


朝  真黒な画面の携帯電話に恐る恐る電源をいれてみる


メール10件


メッセージ5件      全部喬さん・・・・。


話さないといけないとは思っていても自然に体が拒否ってしまう。


会うのも喋るのも怖い。


好きになり過ぎてどうしようもなくなった自分の姿を思い出すだけで恐くてたまらない。


携帯をバイブにしたままかばんの奥底にしまった。

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