思い出に変わる時・・・・
「・・・・。」


「昨日ごめん!」



「・・・・。」


「あの子とは前に別れて終わってんだ=3」


「だから  関係ないから=3」


「・・・・・うん  分かった。」


「・・・・・?」


「分ったって  それだけ?  怒らないの?」


「・・・・何で怒るの?」


「他の女が俺にしがみついて泣いてるとこなんか見たら普通嫌じゃないの?」


『嫌だけど・・・・それをどう言葉に表現していいのか思い浮かばない』


私は黙ったまま何も言わなかった。


「本当に関係ないから。」


「うん  もう分かったから」


それ以上は喬さんも何も話さない。


私も何も話さない。


喬さんが何度も私の顔を見ているのは知っているけど、一度も目を合わさなかった。


家の前まで来て


「ありがと。」


振り向かずに「ありがと」だけ言って家に入ろうとしたら、


グッ=3


腕を強く掴まれた。


「菜緒 ちゃんと話そう=3」


腕を掴んだままツカツカと歩きだして向かった先は近所の公園。


真っ昼間の公園は子供達でいっぱいだった。


喬さんは公園で遊ぶ子供達はどうでもいいみたいにベンチにドカッと座り私の方を向いた。


「何か言ってよ=3」

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