思い出に変わる時・・・・
「思ってる事言ってくれないと謝る事もできない=3」


「・・・・何も言う事ないもん。」


「じゃ昨日から・・・・  今も何で黙ったまま?」


「・・・・・何話していいか分かんないから。」


喬さんはグッと掴んでいた私の腕を力が抜けたように離した。


「・・・・菜緒ちゃんのその言葉って案外凹む」


「怒ったり泣いたりしてくれた方が嬉しいかも。」


「俺に他の女がいても気にならないって言われてる気がする。」


「菜緒ちゃん  本当に俺の事好き?」


「・・・・・でも他の女がいたって怒る程でもないくらいだよね」


喬さんは、また黙ってしまった。


『怒る程でもない』


そう言われてみたらそうなのかもしれない。


自分を見失わない程度のところで、いつも感情のコントロールをしている


いつ別れることになっても心が空っぽにならにように・・・・。


喬さんは大好き、でも一緒にいられなくなったら息もできない=3


なんて事は全然ない。


「喬さん  ゴメンね。」


「私、多分この先ずっと泣いたり怒ったりしないと思う。」


喬さんは、どういう意味に取ったかは分からないけど、


「また連絡する。」


と一言だけ残してその場を立った。


それから何日か後に、何度かメールがあった。


私は一度も返さなかった。


友達からは、もったいない=3と散々言われた。


喬さんの噂は聞きたい聞きたくないに関わらず他校の女子からも入ってくる。


モテモテさんだね~


私はその後二年間、二度とコンパに参加する事もなく女子校生活が終わった。



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