思い出に変わる時・・・・
「…。」


何で普通に付き合っているだけなのに…


家についてからも、祐の怒りはおさまっていないようだった。


「怒ってるの? 」


「怒ってないけど…村上にしても、ヒロにしても、藤井にしても… 」


「…だよね。 」


私達は久々にゆっくり2人の時間を過ごした。


一緒にいても最近は距離を感じる


祐の帰る時間はもっと寂しい


祐のポケットの中に入ってずっとずっと一緒にいたいくらい…


『ポケット…』


何となく祐の胸ポケットが気になった。


手を入れたら、村上からの手紙が…


祐は隠していた訳ではなく、本当に知らなかったみたいだった。


祐はわざと私の目の前で開けて見せる。


内容は、私と別れて自分を見て!


私の方が祐に似合う…って感じ。


手紙を見てムカツクというより、驚いた。


村上ってスゴい自信があるんだ…と思った。


私は祐にどんなに優しくされても自信のかけらもない。


自分だけを見て・・・ なんて口が裂けても言えない。


「本当に祐の事が好きなんだね…。」


「…。」


祐は何も言わなかった。



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