思い出に変わる時・・・・
「何?!」


「2人で行ってくるわ=3」


『はっぁ~?!』


頼むから誰かが負けるまで続きをやってくれ~


私の願いも虚しく…


藤田は私の腕を掴んで歩き出した。


「何で?!」


「負けてないのに…」


藤田は何も答えなかった。


私は仕方なく藤田の後ろをトボトボ歩いた。


背の高い藤田の歩幅は私が走らないと追い付かない・・・・


「早く来いよ!」


少し先を歩く藤田は振り返って私を呼んだ。


「何で一緒に歩かないといけないかな…」


私はふて腐れながら、聞こえていないフリでゆっくりと歩いた。


店について人数分のアイスをGET=3


冷たい…  当たり前だけど…


少しでも手を緩めたら落としそう


バッ=3


落としそうな何個かを藤田が取った。


「いいよ! 持てるから=3」


「いいよっ 貸せ=3」


「…。」


行きより早く歩かないと溶けてしまう…


藤田の歩く速さに合わせると、ほとんど走ってる。


アパートに着いた時には息があがっていた


皆にアイスを配ってふと…


『私ってバカ…』


自分のを買うのを忘れてた ・・・・


「食べないの?」


先輩に聞かれて、忘れたとも言えず、


「うん・・・」


頷くしかなかった。


「はいっ=3」


隣りに座っていた藤田が自分の食べていた半分を私に渡した。



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