思い出に変わる時・・・・
別れなきゃいけないんだ…


もちろん一睡もできず朝を迎えた。


ピンポン


『来ないと思ってた…』


「昨日電話くれたって… ?」


「うん…」


祐は何も知らないんだ。


『言うべき 言わないべき でも…』


私は思い切って昨日の話を口にした。


「あのね…祐のお母さんに別れてって言われたんだ~ 」


「何て?」


「祐が大事な時だからって…」


さすがに祐自身も凹んだみたい。


2人は黙ったまま学校に到着した。


祐は全く力の抜け切った放心状態…


私は…


どうしたらいい…


1時間目の休み時間、祐は教室にやってきて、


「菜緒… 」


いつもの2人の場所に連れられて行った。


「菜緒…」


「俺の事好き? 」


「…うん」


「何で ?」


「ずっと好き? 」


「…うん」


「俺の受験が終わるまで待っててくれない? 」


「…。」


「どういう意味?! 」


私は涙が出るよりも頭が真っ白で何を答えていいのかも分からなくなった。



「一緒に帰ったりできない。 」

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