思い出に変わる時・・・・
投げやりかもしれないけれど、私の正直な気持ち…


藤井のお迎えは何日も続いた。


「菜緒=3 」


2人で歩いていたら米さんが呼び止めた。


「ちょっと話たいんだけど・・・」


「藤井さん・・・」


「分かった、待ってるよ!」


「ううん・・・先に帰ってて・・・。」


「・・・分かった。」


私は米さんに連れられて3年の教室に入って行った。


中には涼子さんも待っていた。


「菜緒 どうなってんの?! 」


「本当に藤井と付き合ってんの? 」


「ううん・・・全く・・・」


「じゃーどうしていつも一緒に帰ってんの? 」


「・・・迎えに来るから。 」


「アンタね・・・藤田の気持ち考えた事ある? 」


「アイツも我慢してるんだよ! 」


実際、私は藤田の気持ちは考えた事もなかった。


自分の気持ちを抑えるのがやっとで、藤田の事を考える余裕なんて全く残っていなかった。


『涼子さん・・・私の気持ちは考えてくれた事ある?


村上にはガンガン圧されて、目の前では泣かれ、挙句私がいじめたという扱いを受け


て・・・母親の別れてちょーだい の一撃=3』


それに耐えたかと思えば本人からの待ってて宣言。


立ち直れないよ・・・


私は涼子さんの前で何も答えないまま黙っていた。


「藤田に何か言っておこうか? 」


「ううん・・・何も言わないで・・・」


「菜緒・・・」


米さんと涼子さんは本気で心配してくれているのが痛いほど分かる。




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