思い出に変わる時・・・・
「どうでもいいなら付き合って ください!」


「・・・いいよ~こんな奴でよければ~ 」


藤田が村上と腕を組んでる姿を見たから・・・か


勢いか・・・ したみたいな返事をしてしまった。


ヒロは私の横でガッツポーズ


次の日の朝・・・


ヒロは家の前で立っていた。


「何やってんの? 」


「一緒に行こうと思って・・・ 」


『藤田の真似か・・・ 』


私は普通に学校までの道を歩いた。


学校に到着したら前からは・・・祐の姿が


背の高い祐の後ろには村上がくっついていた。


祐は私を凝視していた。


私はジッと見ている祐の目をすぐに逸らして先に階段を上がった。


背後からは嫌味ととれるくらい感に障る村上の声が聞こえる。


祐の声は返事すらも聞こえない。


私は全く振り向く事なく3階まで一気に上がった。


『私だけの祐は、もうこの世にはいないのかも・・・ 』


ヒロでも誰でもいい・・・私を温めてほしい・・・



祐とはズッとすれ違うだけの毎日が続いた。


話す事もなく、ただよく目が合うだけ・・・


祐には村上が、


私にはヒロが、


だんだん当たり前の光景になってきた。


人の噂もだんだんなくなってきて、


私の気持ちだけがどこかに、置き去りになったまま。




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