僕とみつばち
矢継ぎ早に。
そんな言葉がぴったりだったが、ハルカは気を悪くした様子はない。
「あの子、事務仕事でもなければ、一人暮らしでもないよ。お母さんとお姉ちゃんと住んでたんじゃなかったかなー。お兄ちゃんもいたような?あれ、どっちだったっけ。」
「事務じゃないの?」
「違うよー。何て言うか自由業?」
「自由業?何それ。」
「んー、色々してるよ。なんでもしちゃうみたいな。子どものお守りから、酔っ払いの相手まで、なーんでも。」
「フリーターってこと?」
「フリーターとは違うかなぁ。普通の人の倍働いてるよ、多分。」
「…。それで?」
「何か、忙しくしてるのが好きみたいで、あんまり捕まらないよ。」
「お金に困ってるわけではなく?」
「うん、そういうわけじゃないみたい。
高校だけは確か親元離れて、地方行ったんじゃなかったかな。中学はあたしの後輩になるよ。」
「で、ハルカとはどんな繋がりなの?」
「ちょっと…言いづらいかも。」
「なに。」
「まぁ、言ってしまえば、飲んだくれてるところを拾ってもらった、みたいな。」
「カッコ悪っ」
「ははは。」
つまりは。
狙っていた男に振られた憂さを晴らすのに呑みまくった。
つぶれた。
拾われた。しかも年下。
しかも女子。
カッコ悪過ぎだろ。