僕とみつばち



「…で、星空の下の完全密室で、指一本触れなかったって言うんだ?」



居酒屋 『天神』



今夜もタクヤに絡まれながら呑んでいる僕は、実は暇人なのかもしれない。



「うん、さっきからそうだって言ってるだろ。」
「俺はもうてっきり、…ばくっと。」
「ばかやろう。」
「だって、実際タロー先生の方が手が早いだろ。」

「そうか?」

「そうだ。」

「じゃあ、そういう事にしといてもいいよ。」



反論はできない。
確かに、僕は恋愛感情をともわないセックスができる男だ。



自分が欲しくて、相手も欲しければ。そして、後腐れがなければ尚良い。





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