僕とみつばち
「タカシマワカコ」は、目の覚めるような美人ではなかったが、すらと、背筋の伸びた、女性らしい美しい人だった。
約束通り、示談金を支払っても尚、すまなそうにしているワカコに対し、男として多少の下心が湧いてきた。
『ちょっとちょっかいを出してみようか。』
そんな悪戯心が、後に大きなしっぺ返しとなって返って来るとは知らず。
僕は、ワカコの弱味に付け込んだのだ。
「ご飯でも、食べに行かない?」
「え、でも…。」
「ほら、こういうのって何かの縁だし。」
「縁って、そんな…。」
「いいでしょ。ほら、罪滅ぼしと思って。」
あ、これは言っちゃダメだったか。