僕とみつばち


…………眩暈がする。



いつできたのか。そもそも誰の子なのか。




「それって、僕の子…だよね?」
「ううん。違う。」
「なんで?」
「だって、タローちゃんとは避妊してたもん。」




なんだ。そうか。
旦那とはセックスがあったんじゃないか。 



旦那の子が欲しかったんじゃないか。



愛などと抜かしていた自分の若さが憎い。



結局、堕ちていくのは、守るもののない僕だけだった。




「…ごめんね。」
「ワカコのごめんねは聞き飽きたよ。謝る相手が違うんじゃないの?」



今夜もしっかりとセックスをしておいて。



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