彼 岸 花



「頭を打っただけなら良い。今、自分が誰なのかさえわからない・・・。」


そう言ってフッと、その子を見ると少し悲しい顔をしていた。



「それって・・・私達の事も忘れちゃったって事だよね?」


今にも泣きそうな女の子に対して俺は何もできなかった。


「君は、俺の事を知っているのか?」


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