彼 岸 花



そのテレビの様なすなあらしの中でうっすらだったが、金色に光る目と角、鋭く尖る白い歯、血に染まったような赤。

怒りに満ちた鬼の顔部分の姿が俺には見えた。



それは、本当に一瞬の事だった。視界はすぐに知里の笑顔に戻った。


しかし、その一瞬だったにも関わらず俺の手はビッショリ汗をかいていた。


鬼の顔は一度見たら忘れる事が出来ないくらいの恐怖感を与えた。



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