彼 岸 花



「またなの?」
そう菜草が小さな声で呟いた。


すると、俺の横をスッと通りひきずられていた人へと千影が近づいて行った。


ひきずられていた人は、髪が長く服は真っ赤に染まった女性。
顔はコチラからでは、見えなかった。


「裏切り者はいらない。」

そう言って千影は、その女性を一発蹴った。



さきほどの表情はなく、凍りつく様な目でその女性を千影は見つめていた。



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