彼 岸 花
偶然にもバスはバス停の前で止まっていた。
何処行きなのかも、わからないが。
俺はそのバスに乗り込んだ。
バスの中は冷房がきいていて涼しく、俺は一番後ろの席へと腰掛けた。
他の席には杖を持ったお婆さんが一人、仲良く隣同士に座り話ている女子高生が二人、新聞を読んでいる中年の男性一人と、少ない人数だがバスは時間がきたのか、出発した。
とりあえず、いける所まで行こう。
俺はポケットに入っている小銭をギュッと握りしめた。
別に目的もなけえば、そこにたどり着いたら何かわかるわけでもなさそうなのだが
ただ、何となく俺はバスに乗ったのだ・・・。