青春コンチェルト〜友情の協奏曲〜


暗い教室を見渡す。


……えっ!?


人が……いる。


女の子が1人、自分の席に座っていた。


私は急に恥ずかしくなり、教室から走って出ようとした。


すると、


「あっ!待って!」


と声がした。


私は戻るか躊躇したが、走るのを止め、恐る恐る教室に戻った。


ドアから顔だけ出し、中を覗くようにして見た。


『あっ…。』


目が合ってしまい、あわてふためく。


口は開いたままで、身動きできず静止していると、


「あははっ。面白い顔してるよ」


とその子は言った。


そう言われて初めて、自分の口が開きっぱなしなことに気付いた。
恥ずかしいので、すぐに口を閉じた。


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