青春コンチェルト〜友情の協奏曲〜
「名前、なんていうの?」
その子は、私をまっすぐ見ながら言った。
『…お、荻川沙綾です。』
もうさっきの歌を聞かれたせいで、極度に緊張していた。
「じゃあ沙綾ちゃん、これからよろしくね。」
なんて優しい笑顔だろう。
私にはあんな顔できない…
そしてなぜか私の心は、
いつの間にか緊張という鎖から解放されていた。
『なんて名前なの?』
今度は私が聞いた。
「私は、希望(きぼう)。」
『…き、きぼう?』
私は希望、って…
なんかよく分からない…
「冗談だよ〜!希望って書いて、のぞみっていうんだ。」
そう聞いて、やっと分かった。
『いい…名前だね。』
…私も、【希望】って名前が良かったな…
この先には輝かしい未来があって、どんなときも【希望】を失わない…
そんな名前、いいなぁ…