青春コンチェルト〜友情の協奏曲〜


「名前、なんていうの?」


その子は、私をまっすぐ見ながら言った。


『…お、荻川沙綾です。』


もうさっきの歌を聞かれたせいで、極度に緊張していた。


「じゃあ沙綾ちゃん、これからよろしくね。」


なんて優しい笑顔だろう。

私にはあんな顔できない…


そしてなぜか私の心は、
いつの間にか緊張という鎖から解放されていた。


『なんて名前なの?』


今度は私が聞いた。


「私は、希望(きぼう)。」


『…き、きぼう?』


私は希望、って…
なんかよく分からない…


「冗談だよ〜!希望って書いて、のぞみっていうんだ。」


そう聞いて、やっと分かった。


『いい…名前だね。』


…私も、【希望】って名前が良かったな…


この先には輝かしい未来があって、どんなときも【希望】を失わない…


そんな名前、いいなぁ…


< 14 / 19 >

この作品をシェア

pagetop