青春コンチェルト〜友情の協奏曲〜
「そう?沙綾の方がいい名前だと思うよ!かわいらしくて。」
『えっ』
今、私声に出したっけ…?
読まれた?!
それに対する驚きはあったけど、
名前で褒められたことへの驚きの方が大きかった。
【沙綾】と名付けた親でも褒めたことはなかった…
のぞみちゃんは…
その名前の通り、希望に満ち溢れた明るい子だと思った。
そして、優しくて、
全てを受け入れるような広い心を持っている子だと、直感的に思った。
『…ありがとう。』
私のつぶやいた言葉に、希望はにこっと笑顔で返した。
そして、
「今日からよろしくね!沙綾!」
と希望は手を差しのべた。
『うんっ!こちらこそ。』
私もさっきまでとは違う笑顔で、希望と握手した。
やっぱり、希望の手は優しかった。