青春コンチェルト〜友情の協奏曲〜



「…あのっ。」



『へ?!』



突然、目の前に顔が出てきた。女の子だ。ずっと自分の世界で考え込んでたから、すごく驚いた。



「面白いね、沙綾ちゃんって。」



何を言うかと思えば…。
面白い…?私が…?
よく分からないけど…私の名前、呼んでくれた。



そのまま固まっていると、



「見てると動きが面白いの。」



と、なんだか不思議なことをいってる。



【面白い】って…
どこらへんが【面白い】んだ?



ずっとそんなことを考えてて、返事をしないでいると、



「大丈夫?具合悪いの?」



と聞いてきた。



不思議なところはあるけど…



…もしかしたら友達になってくれるのかもしれない。



とりあえず、私はこう聞いた。



『…名前何ていうの…?』



するとその顔は答えた。



「宮崎夏純っていうの。よろしくね、沙綾ちゃん。」



手を差し出して握手を求めてきた。だから私は、



『うん、よろしくね。かすみちゃん。』



と言って、ぎこちなく笑いながらも握手した。


< 4 / 19 >

この作品をシェア

pagetop