青春コンチェルト〜友情の協奏曲〜
「…あのっ。」
『へ?!』
突然、目の前に顔が出てきた。女の子だ。ずっと自分の世界で考え込んでたから、すごく驚いた。
「面白いね、沙綾ちゃんって。」
何を言うかと思えば…。
面白い…?私が…?
よく分からないけど…私の名前、呼んでくれた。
そのまま固まっていると、
「見てると動きが面白いの。」
と、なんだか不思議なことをいってる。
【面白い】って…
どこらへんが【面白い】んだ?
ずっとそんなことを考えてて、返事をしないでいると、
「大丈夫?具合悪いの?」
と聞いてきた。
不思議なところはあるけど…
…もしかしたら友達になってくれるのかもしれない。
とりあえず、私はこう聞いた。
『…名前何ていうの…?』
するとその顔は答えた。
「宮崎夏純っていうの。よろしくね、沙綾ちゃん。」
手を差し出して握手を求めてきた。だから私は、
『うん、よろしくね。かすみちゃん。』
と言って、ぎこちなく笑いながらも握手した。