かっこう
思えばこんな風に歩くのも久しぶりで、私たちはまるで「変わっていない」のだと思う。

幸い、私たちは住宅地の中を歩いていて、すれ違う人も全くいなかった。

きいちゃんはそう思ってはいないだろうけど、二人で歩きながら話すのを、たまに私は恥ずかしいと思うことがある。

何の根拠もないのだけれど。


なんとなく予感はしていたが、公園に入ると私たちはユカに出会った。

公園のメイン通りの突き当たりにある、大きな噴水の縁に腰掛けて、ユカは何かをスケッチしていた。
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