かっこう
噴水の飛沫と白くぼんやりした空の景色の中で、色白のユカは完全に色に溶けてしまいそうだった。

けれど、ユカの履いているグレーのパンツのすらりとした足を見て、私はすぐにユカだとわかったのだ。
ユカの足は本当に素晴らしくキレイ。

私に気付くとユカは、柔らかくふにゃりと笑い、手をひらひらした。

そしてすぐ、前を歩いているきいちゃんに気付いた。

きいちゃんはきいちゃんで、ユカをじっと見つめている。

「ユカ、前にも話したでしょ?きいちゃん」

きいちゃんの肩を抱いて、私はユカの前に進み出た。
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