かっこう
その写真は今も、赤いフォトフレームに入れて箪笥の上に置いてある。
「康子さん」
家の中で私はきいちゃんを探しているところだった。
風呂上がりに豆乳を飲んで以来、豆乳が好きになったきいちゃんのために「紅茶味」の豆乳を発見したので買ってきたのだった。
「まだ何も教えて下さらないんですね」
ただ事でない。
きいちゃんの声に私は障子を開くのを止めた。
康子、というのはママの名前だ。
「わかりました」
障子には、ママときいちゃんが向かい合うシルエットが映し出されている。
この家唯一の和室はママの寝室だ。
「康子さん」
家の中で私はきいちゃんを探しているところだった。
風呂上がりに豆乳を飲んで以来、豆乳が好きになったきいちゃんのために「紅茶味」の豆乳を発見したので買ってきたのだった。
「まだ何も教えて下さらないんですね」
ただ事でない。
きいちゃんの声に私は障子を開くのを止めた。
康子、というのはママの名前だ。
「わかりました」
障子には、ママときいちゃんが向かい合うシルエットが映し出されている。
この家唯一の和室はママの寝室だ。