かっこう
ママは引越が趣味のような人間なので、私たちは幼い頃からあらゆる土地を転々として生活してきた。

私は小学三年生の秋まで、きいちゃんと自分は双子なのだと信じていた。

理屈はどうあれ、その時は同じ年に生まれた姉妹は双子、とママに教えられたからだ。

ママは私ときいちゃんに、世間の双子の子供がそうするのと同じように、色違いの同じデザインのワンピースや、スカートを着させたりした。

今でも数少ない昔の写真を見てみると、私たちは色違いのジャンパースカートだったり帽子を身につけて、左右対象のポーズを取っている物がある
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