かっこう
私ときいちゃんは双子。

たとえ生まれ月が違おうが、苗字が違おうがそんなのは関係なかった。

そんな理屈すら知らなかったのだから。

「まゆちゃん」

ドアがノックされた。

私はまだ目が潤んだままだったので布団を頭から被った。
きいちゃんには見せてはいけないと思ったのだ。

きいちゃんはもう一度ノックすると部屋に入って来た。

「まゆちゃん、寝てる?」

もちろん寝てるはずなどないのだが、私は寝息をたてる振りをした。

きいちゃんはふう、と一息つくと言った。

「まゆちゃん、何かあったら助けてくれるよね?」
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