ずっと傍に…
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「じゃ僕は戻りますね」



沖田さんはニコッと笑って襖を閉めてしまった。


歳さんと二人きりの空間に鼓動が早まる。



「沙知、来いよ」



隅で背を向けて立つ私を歳さんが呼ぶ。


さっき突き飛ばしちゃったし、歳さんの元に行きづらい。



「……沙知」



ふわっと抱き締められて、歳さんが首筋に顔を埋める。



「顔…見せてくれ」



耳元で擦れた声で囁かれて。


逆らえなくて、ゆっくり振り返って歳さんを見上げる。



「……ごめんなさい」



開口一番はもちろん謝罪の言葉。



「なぜ謝る?」



「さっき、突き飛ばしちゃったから…」



瞳が潤む。


溢れた涙が頬に一筋伝った。



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