ずっと傍に…
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隼人さんの家に着くまで会話なんてなくて。


でも握られた手がすごく熱くて。


……夢じゃない。


って実感できた。



「上がって」



とあるマンションの三階に着いて、鍵を開けた隼人さんに促される。



「お邪魔します」



なんか緊張する。


物が少ないシンプルな部屋。


私はリビングに座るよう言われて。


隼人さんは冷たい麦茶を持ってきてくれた。



「さて、何から話すかな。…何か聞きたいことある?」



いきなり聞きたいことと言われても思いつかない。



「今、何才ですか?」



ふと思いついた疑問。


一人暮らしみたいだし社会人っぽい。



「26。お前は?」



「もうすぐ21になるよ」



再びなくなる会話。


緊張しすぎて何話したいいのかわからない!



「22まで、沙知のこと知らなかったんだ」



「え…?」



22って4年前だよね…?



「私が歳さんと出会ってなかったから…?」



隼人は「多分」と頷いてくれた。



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