ずっと傍に…
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「土方さーん、お茶持ってきましたよー」



美男子が陽気な声で入ってきた。



「総司、場の空気読め」



総司って……沖田 総司【おきた そうじ】!?


歴史の先生が言っていた通り…確かに美男子だ。


土方さんは沖田さんから湯呑みを受け取り、一つを私に渡した。



「…ありがとうございます」



口に含むと熱いお茶が身体に染み渡った。



「話が途中だったな。続けてくれ」



土方さんは沖田さんを部屋から追い出して、熱いはずのお茶をごくごくと飲んだ。



「私は、もっと先の時代から来たんです」



土方さんは首を傾げる。



「憶測ですが……タイムスリップしたのだと…」



土方さんは怪しいと言った表情で私を見ている。


そりゃそうだろう。


いきなりタイムスリップとか言って信じてもらえる訳がない。



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