濃厚なこの愛を…
とっさの事でどうしていいのかわからない。馬鹿みたいに目を開いて棒立ちのアタシを嘲笑うかの様にアラキの唇は角度を変えてアタシの唇を捕らえ続ける。



中学生じゃあるまいし。
ファーストキスじゃあるまいし。早くこの男を突き飛ばせ!って頭の中ではわかってるのに…突然すぎるこんなキスは初めてで…



「んんん―!!」

バコって音と共に離れるアラキ…とジンジン痛むアタシの手と唇。


「いってぇな」


ディープに流れ込んだキスでアタシの頭は覚醒し、思いっきりアラキの頭をぶん殴った。



馬鹿にすんのもいいかげんにして欲しい。

反応を見て遊ぶのはやめてほしい。


この…この…この…



「糞ボケがぁぁぁあ!!てめぇ、いいかげんにしろよ?年上からかってそんなに楽しいか?それとも同情か?捨てられた憐れな女を慰めようとしてんの?悪いけど、アンタの慰めなんて求めてないから。」



一気にまくし立ててアタシは制服を脱ぎ、レジにいる店長に


「セクハラされたんで辞めます」


それだけ言い、制服を渡し店を出た。
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