分校物語 ~夏~
「それで、慎吾君のことなんですけど」

「稲垣君が、どうかしました? 」
永岡が心配そうな顔つきで尋ねた。

「父兄との話し合いを来週の月曜日にしてほしいということですけど」
「そうですか・・・わかりました」
永岡は安心したように答えた。

「始めていいですか? 」
上田がいらついたように言った。

「すいません」
永岡が上田に言った。

会議の内容は、夏休みのキャンプの割り当てだった。
各教員は、それぞれの担当を受け持っている。
その最終確認であった。
清貴は海での水泳教室の担当だった。
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