やきもち王子 2
いつも近くに居すぎているから
つい忘れてしまうけど、
秀はモテる。
勉強だって、運動だってできるし、
誰にでも訳隔てなく接するし、
見た目だっていいと思うのは
わたしの欲目だけじゃないと思う。
ほんとに……
なんでわたしなんかのこと好きなんだろう?
秀がどんなに嬉しい言葉をくれても、
この不安はいつもわたしの中にある―…
「中学校とは違ってはるが彼女ってこと
知ってる人だって少ないんだよ?」
中学校とは違う、かぁ。
……そうだよね。
わたしがしなきゃいけないのは
うじうじ悩むことじゃなくて、
秀にずっと好きでいてもらうために
努力することだよね?
「美和、わたし…頑張るよ!!」
「ん。頑張んな?」
美和のニコッと笑ったその笑顔に
パワーをもらった。
ほんとに頑張んなきゃね?