やきもち王子 2


いつもの茶色の澄んだ瞳が、
不安そうにゆらゆらと揺れている秀の瞳。


置かれていた手にぎゅっと力がこめられる。


「はる、どこにもいかないで…
離れていかないで。

ずっと俺のそばにいて…」


今にも泣き出しそうに見えた。

この人がすき。
堪らなく好きだ。

ぎゅーぎゅーと締め付けられる胸にわたしまで目があつくなった。


「いくわけ、ないよ…
離れろっていわれても無理だよ。

こんなにすきなんだよ?」

「ほんと…?」


不安そうに縋る秀が、子犬みたいにみえて可愛くてくすっと思わず笑うと、秀表情もほっとしたようにやわらいだ。


「なに、なんで笑うの?」

「秀がかわいいからだよ。」

「かわいいのははるだよ。
かわいすぎて、他の奴まで誘惑してる…」

あ、いつものやきもち。

一気にやわらいだ雰囲気にほっとする。
いつもの秀、いつもの雰囲気だぁ…


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