やきもち王子 2
「他のやつの名前なんて出さないで…
他のやつのとこなんていくな…!
強くなんてならなくていい、がんばんなくていいから、ずっと俺のそばにいて…」
秀……
苦しそうな秀をみてやっとわかった。
秀も不安なんだ。
今までずっと一緒だった距離と時間が少しだけ開いてしまって、それが離れていってしまったような気がして、不安で…
秀も、一緒だったんだ。
わかってたつもりなのに。
秀は完全無欠な王子さまじゃなくて、
わたしを好きでいてくれる普通の一人の男の子だったって。
そう思ったら、ぐちゃぐちゃに絡まって、難しそうにみえたことが全部ストンと自分の中におさまって、簡単なことに思えた。