やきもち王子 2
秀の手の下からそっと、手を抜き出すと秀がびくっとして怯えたような表情に変わる。
大丈夫、大丈夫なんだよわたしたち。
そういう想いをこめて、普段なら絶対にしないであろう、自分から腕を秀の首にまわしてぎゅっと抱きついた。
「あのね、秀。
わたし秀がすきなの。」
「…え?」
「秀がすきすぎて、ちょっと距離があいちゃったみたいで怖かったの。でも一緒だったんだね。わたしたち、一緒のことで怖がってたんだね。」
「は、る……」
「ねぇ、秀がすきだよ。秀だけがすき。
秀もそうだよね?それだけで難しいことは全部もういいやって、そう思わない?」
腕を緩めて、秀の顔を覗き込んでニッコリ笑えば、
「うん……はるしかいらない」
泣きそうな顔でぎゅっと縋るように秀が抱き返してくれた。