やきもち王子 2
「さびしい、ね…?」
秀はきゅっと目を細めて、
「俺はすっごい心配」
って切なそうに言った。
ちょっと弱々しいその声に
きゅんきゅんさせられる。
秀に何か言ってあげたいのに、
言葉が見つからなくてもどかしい。
あわあわとしているわたしを見て秀は
くすっと笑ってわたしの頭を
ぽんぽんと撫でた。
「何かあったらすぐ呼んでね」
教室に入っていく秀の背中を見て、
同じクラスだったらよかったのに……
って今更悲しくなって胸が痛んだ。
どきどきどわくわく期待で
いっぱいだった高校生活は、
ちょっとだけ悲しくて、寂しい始まりになった。